介護放棄と遁走

お恥ずかしい話ではあるが先週の月曜日のこと、たまりにたまった介護ストレスが一気に爆発してしまい、母の介護を放棄するのと同時に車に乗って家を出てしまった。

直接の原因はほんの些細な事というより下らないこと。
昼ご飯のおかずにと買ってきた味のフライの大きさに父親がとケチをつけたことだ。

父親とは以前から折り合いが良くなかった。
特に母親が退院して以降はなかなか介護に協力してくれず、これまで以上に衝突することがあった。
今回は思うようにいかない母の介護ストレスで噴火寸前の私の導火線に、つまらないアジフライの小言で火をつけてしまった訳だ。

「ふざけんな!!」
声を荒らげ、取るものも取り敢えず車に乗って家を出る。まさしく介護放棄だ。

実際のところは本当の介護放棄というより、さも介護しているようなこと人に自慢する父に対する当て付けのつもりもあったが、これ以上顔を合わせていては取り返しのつかない事を招きそうだという危惧もあり、あとはヘルパーさんとケアマネさんに委ねて家を後にした次第だ。

あまり遠くまで行けるはずもないので、その日は道すがらの「丸亀製麺」で腹を満たした後、沼津のビジネスホテルにチェックインし体を休める。

ベッドに横になっても興奮が冷めずなかなか休まらない。
家にいても後悔…家を出ても後悔…どんな選択をしたとしても自己嫌悪に陥る。

結局は一睡もできぬまま朝を迎え、少し遠回りをして自宅へと戻る。

結局は親の状態が気になり家に戻る選択肢を選んだのだが、世の中には親の介護をことごとく拒否し一切の関りを断ってしまう人もいる。

正直言ってそのほうが楽なのかもしれない。

ただ、自らの体が不自由であるにもかかわらず真っ先に私のことを心配していた母の顔を見るとその選択肢をとることはできない。
本当に親の介護って難しいし残酷でもある。

 







介護

Posted by chariketta