移動するだけ旅
地元静岡から、福島・岩手・秋田・山形を巡る旅から先日無事に戻ってきた。
五泊六日で総走行距離が1,200キロほど。
最終日以外はほぼ下道を使っていたので宿泊地に着くまでは一日中ほぼ走りっぱなし。旅行というより「ただ行ってきた」という方が正確かもしれない。
人により旅行の仕方もいろいろ。
一か所に滞在して観光巡りをしたりのんびり過ごす滞在型の旅。
何かを集めたり土地土地のグルメや名産を楽しむ目的型の旅。
そして移動そのものを楽しむ旅。
私の場合、小学生から中学の頃は乗り鉄の鉄ちゃん。
高校以降は競輪選手を目指しての練習に明け暮れながらも、時に目的もなく自転車で野宿しながらふらふら…そんなことをしていたこともあった。
そんな下地があるからか目的地でゆっくりするより移動している時間そのものが旅の目的になってある感が強い。
まあ、変わり者だね…
今回、下道を使いながら福島から津波の爪跡がいまだに残る太平洋岸を北上し、相馬や陸前高田では震災遺構だけでなくその復興の遅々として進まぬ姿に愕然とし、松島ではインバウンドの外国人旅行者の多さに半ば呆れ、酒田ではおいしい日本海の幸を食べようと心待ちにしていたのだけれど日曜日ということでことごとく店が閉まっていて、結局は焼そばを食べる羽目になった。
米沢では母の在所のお墓に母の名代として何年かぶりにお参りをすますことができた。
どれも旅の経験としては大したことではない。でもそれでいいのだ。
美味しい海の幸を食べそこなったこともいい思い出だし、山間の道の駅で何の変哲もないお弁当を買って食べたのもいい思い出。
そして、見知らぬ土地の国道を昔のようにナビなどに頼らず地図を見ながら走ったのもいい思い出だ。
私にとっての旅…それはすなわち直感に頼った旅。
「何となく面白そう…」「ちょっと気になる…」「この食堂おいしいかも…」
そう思って立ち寄ったはいいがハズレとなることも少なくないが、当たった時の感動はひとしお。
ハズレはハズレでそれもまたいい経験。
これが移動の旅の醍醐味かもしれないけど、独り者だからできる旅なのかもしれないね。
いい年になったこともあるからそろそろ落ち着いた旅をしてもいいのだけれど、こればっかりはなかなかやめられない。
今回は車だったけど、車だと移り行く外の匂いを感じられず旅の醍醐味はスポイルされてしまう。速度もちょっと早すぎるかも…。
理想を言えば旅は自転車くらいの速度がちょうどいいかもしれない。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません