時代の流れ

2021年1月1日

サイクルスポーツ別冊の「ロードバイクのメンテ徹底ガイド」最新版を購入した。

この号を含め三冊の同じ内容の本を持っているが、年代が新しくなるにつれ、整備の内容が変わってきておりなかなか興味深い。

ワイヤー引きのコンポーネントから電動化。
リムブレーキからディスクブレーキ。
自転車の基本構造は変わらないものの、自転車を操ることの簡便さや安全性は間違いなく向上している。

しかし、この変革がユーザーの自転車への介入度を減らしてきているのは確かなようで、以前のようなユーザーが自転車をバラバラに分解して組み立てるという事がやりにくくなっているのは確実なようだ。

この事が良いのか悪いのかを論議するつもりはないが、昔から自転車に接していた私としては、少々寂しい感じを拭えない。

パソコンが一部の好き者の物から家電化して一般に浸透したように、今は自動車が家電化しつつある。
同じように自転車もそうなるのだろうか?

ツアー・オブ・ジャパン大会ディレクターの栗村修さんが「自転車って100年後に存在しているのか?(社会に必要とされているのか?)」とブログに投稿されていたが、100年ほど前は走る(歩く)事が日常のものだったものが、今は趣味(体力作り)で走るようになったように、自転車は日常生活の手段ではなく趣味(体力作り、体力維持)の道具として、形は変わるかもしれないが残ると私は考えている。

その時に、自転車が今のようにユーザーがいじることができるものであるかどうかは知らない。
今の時代の流れを見ていると、自転車の中身はブラックボックス化していくだろう。
きっと、変速は今のようなディレイラー方式の変速ではなく無段階変速システムとなり、チェーンドライブはなくなり、電動化は当たり前となる…これが自転車といえるかどうかは議論を呼ぶが、自(自ら)転(転がす)車には変わりない。

自転車の未来は暗くない…時代はそんなに大きく変わらない…。

変わりゆく内容の自転車整備本を眺めながら、時代に乗り遅れた私はそんなことを出勤前に考えた。