人工関節について語ろう
私の右足にはチタン製の高級蝶番が入っている。一説によるとコンポーネントだけで50万円ほど、四週間の入院・手術(初回)で約250万円の総費用がかかるらしい。
私の場合、都合3個目の人工関節が入っているので、少なく見積もっても750万円を超えるお金が右膝に費やされている事になる。
セメント固定用人工膝関節の価格(2018年4月1日現在)
※( )内は特殊なタイプの最高額
サイト:人工関節の広場 第27回人工関節にまつわるお金の話から
で…良くなったのか?
正直に言おう。手術をするたびに足の機能は落ち、痛みやこわばりも強くなり、日常の生活レベル(QOL)は低下している。
750万の費用が掛かるなら、そのお金で高級車にでも乗った方が良かった。
これが本音…。
「慌てる乞食は貰いが少ない」
痛みを我慢してでも元の関節を温存しておけば、再生医療でも STAP細胞 iPS細胞でも、将来的ににダメになった関節を元に戻せる技術が確立できた暁には、その技術を使って正常な足を手に入れらる可能があったのに…。
関節を切り落とし、人工関節に入れ替えてしまったなら最後、元に戻すことはどんな名医をしても出来ない。
良い話ししか広まらない…
もし私が80歳近い年寄りなら人工関節置換をしても今のように苦しむ事や後悔する事はなかっただろう。
「人工関節にして生活レベルが向上した…元の生活レベルに戻る事ができた…人工関節って素晴らしい!」
ネットで検索するとそんな体験記ばかりがヒットする。
残念ながら、それは70歳や80歳の人がその年齢なりの生活レベルに戻ったというだけで、40歳や50歳の人が人工関節を入れたからと言って、それ相応の生活レベルに戻る事を意味するものじゃない。
私自身、それを見誤っていたし、3回目の置換にして主治医もそのことを明言した。
遅いよねぇ…
もちろん、病気の種類や進行状態などによっては若いうちに置換を決断しなければならない状況となることは十分にあり得る。
その時は、同年代の健常者と同じ生活を送れるようには、まかり間違ってもなり得ない事を理解し、障害者に俺はなる!という覚悟と自覚は最低限必要になる。
出来て当たり前だったことの多くが、逆立ちしても出来ない事ばかりになる。
3回目にして自覚した…。
他山の石に俺はなる
人工関節にしたことを後悔しはじめると鴨居にロープを掛けたくなる。
だから、後悔こそしないが、多くの出来ない事に直面した今、反省ばかりの日々を送っている。
バラ色の人生は望むべくもない…。
こんな弱っちいことを口に出し、恥ずかしい思いを吐露するのは我ながら情けない事とは思うが、この反省の気持ちが他の誰かしらの役に立てればうれしい。
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