甲府から富士川を下る…輪行物語 Vol.2

2019年9月17日

結局…ビワイチはあきらめた。
やはり、父親の入院後、日も経たずして泊まりがけでサイクリングに行くのは「人として何だろう…」と思い、「琵琶湖は逃げない…」と自らに言い訳をして、予約したホテルをキャンセルした。
しかたない…。

とはいえ、介護中には様々なストレスが溜まり、それらを上手に発散しないと自分が潰れてしまいかねない。
唯一の息抜きは介護現場から離れること。
その方法は仕事でも映画館に行くでもショッピングに繰り出すのでもいい。
私の場合はサイクリング…。
思い立ってこの土曜日(9/14)に富士川を下る輪行サイクリングに行ってきた。

清水駅を6時過ぎに出て富士で身延線に乗り換える。
身延線の鈍行に乗るのは初めて。
ローカル線を地で行くのんびりとした走りがまどろっこしい。

甲府駅に着いたのは9時半近く。
それから自転車を組み、ボトルの水やら何やらを準備して走り出したのは10時半近く…。
ヤレヤレ…夏の暑さを取り戻したお日様がカンカン照りで汗が吹き出る…。

甲府市街の混雑を回避するため、荒川サイクリングロードを南下し笛吹川を目指す。
思いのほか走りやすいサイクリングロードだ。
しかし、道の両脇に生えているススキだろうか、種が風に舞い、鼻と言わず口と言わず息をする度に飛び込んできて辟易する。
とはいえ、車に煩わされずに走れるだけましというものだ。

荒川サイクリングロードから笛吹川サイクリングロードを経由し市川三郷町に入り、そこからは身延線に沿った県道9号線を南下する。

この道は以前スキーに行く時によく通った道。
中部横断自動車道が作られていることから、そこかしこの景色が変わってはいるものの、20年以上前の記憶と合致する所が多い。
そんな記憶を辿りながら数ヶ所のアップダウンをこなし、身延町に着いたのは午後1時過ぎ。

ここで昼飯にしようと思っていたのだが、見つかった食べ物屋は「ほうとう」のお店のみ。
まさか、真夏のような日に「ほうとう」も無いだろうと先を急ぐががコレが失敗…。

身延から先は川沿いながらアップダウンが多い。
思いの外体力を消耗し、同時に襲いかかる空腹感に足に力が入らなくなる。
頼みの食べ物屋も無く、あったとしても「休業」の看板が立つ。
泣きっ面に蜂とはこの時の私の姿を言うのだろう。

空きっ腹を抱えて南部町のヤマザキデイリーに着いたのは身延町を後にしてから一時間ほどあと。
空腹感も過ぎれば食欲も無くすもので、水分は飲み込めど固形物は喉を通らない。
何とか牛丼弁当をかきこみ、30分ほど休んだのち、残りの距離を消化するため再びサドルにまたがる。

この先も細かいアップダウンがありヘロヘロになった体には辛いが、十島から稲子までの県境の峠を越えればあとは旧富士川町までは大きな登りはない。
あとひと踏ん張り…。
しかし、車通りの多い国道52号の迂回ルートのためかツーリングのモーターバイクが多く走っており、バリバリと空気をつん裂く排気音が疲れた神経を逆撫でする。

県境を何とか超えて静岡県に入る。

後は走り慣れた道を辿り自宅へと戻るだけ。

由比に入ってから足のつりに悩まされペースが上がらなかったが、何とか午後5時までには家に帰り着けた。

甲府から清水までは標高だけを見れば下り基調だが、意外にもアップダウンが多く足にくる道のりだった。
まあ、体重をもっと減らせば楽に走れたかもしれない110キロだった。

 





Chain Reaction Cycles