イージーライダー…久々サイクリング

気が付けば初夏…日焼け止めが必要な季節になっていた。
あまりの天気の良さに、押し入れの奥から出さずにいた夏用ビブとジャージを慌てて引っ張り出し、約一カ月半振りのサイクリングに行ってきた。

雨がちな日を除いて自転車通勤をしているものの、歳相応に体力…それも心肺機能は落ちていくのは否めない。
無理をせずのんびりとした気持ちと速度で走り始める。
向かうのは30キロほど先の田子の浦港…走り慣れた道。

転職先では比較的安い自転車を販売する事もあって、これから自転車を始めようとか、自転車の楽しみを感じ始めた人と接する場面が多い。
そのため、これまでの私がやってきた距離や速度・時間などの記録を意識してきた走りとは異なる、言わば基本のキの字である「自転車が持つ自由で爽快な楽しみ」を感じる走りをお客さんから教えてもらうことがしばしばある。
今日はそんな「初心に帰った走り」を感じるように街を駆けてみる。

「ここからあそこまで○○分で走った…走ってみる…」という縛りを無くすと景色や自分の体と対話ができる。

「ペダルの踏みごたえがあるなぁ…」と思ったらこれまで気付かない上り坂だったとか、「アジサイが満開だ…梅雨なんだなぁ」とか…

もちろん、車を含めた交通社会の一員なので嫌なこともあるし腹立たしく思うこともある。
そんな良いこと悪いことすべて含めて「自転車を操る自由」を全身で感じて走るるのはなんとなく新鮮だ。

走り慣れた道…行き慣れた場所であるが故に、全くの初心者のサイクリストが味わう感動や達成感は無く、「VIVAサイクリング!自転車最高!!」みたいな「本当の意味の楽しみ」を感じないのは長年自転車に乗ってきたが為の「スレ」みたいなもので残念だが、楽しく嬉しく自由なのは違いがない。

映画「イージーライダー」の冒頭でピーター・フォンダが腕に巻いていたローレックスを投げ捨てたように、自らを縛っていた何か…時間や記録の束縛…を捨てる事で、自らの意思で動かし移動する楽しみは倍化する。

そんなことを思いながら田子の浦の港で富士山を見ながらコーヒーをすすってみる。それもまた自由だ…。

映画ではオートバイだったが自転車でも「イージーライダー」はできるんだなぁ…。