会社を辞めることにした
私の右足には人工膝関節が入っているのだが、この夏頃から膝の緩み(関節コンポーネントの磨耗)やら痛みやらで会社に行けない日々が続き、半ば燃え尽き症候群のように精神的に病んでいた。
原因は歩きすぎ…
昨年の2月に将来を見越して自転車修理の仕事(ホームセンターの自転車修理)に就いたのだが、自転車以外にも品出しやら接客やらで一日一万歩以上歩くことはざらで、その負担が膝のコンポーネントを磨耗させる最大の原因だった。
膝が緩む…膝周りの筋に負担がかかり痛みが生じる。その痛みをかばうため反対側の足が痛む…足だけでなく腰や背中まで痛む…。
痛みをごまかすために痛み止めを飲み、その副作用で胃を壊し喘息の発作まで引き起こす…。
体全体の調子を崩し体力が低下する…。
その悪いスパイラルに陥ってしまい、結果、体が悲鳴を上げてしまった。
医者からはこれ以上悪くなったら歩けなくなる…今入っている人工関節を壊したら入れ替えは難しい…今の歩く仕事は止めてもらいたい…と歯に衣着せぬ意見を浴びせられ、足の傷み以上に精神的なショックを受け、「あ~もうダメだ…」と落ち込んでしまった。
医者の言うこともわかる。
現在入っている人工関節は3つ目で、これまで壊したり不具合があったりで再置換を繰り返している。
人工関節と言っても関節部分だけが金属に置き換わっているのではなく、私の場合は大腿骨と頸骨の両方に「シャンク」と言われる長い杭が入っている。
そのため更なる置換はほぼ無理と言ってもいい状態。
医者が無謀な事を繰り返す私に腹をたてたくなる気持ちは理解できる。
とりあえず二週間の診断書をもらって会社を休み、この先どうするのかをつらつらと考えていた。
足の事を考えればすぐに退職届を出す方が望ましい。
しかし、辞めたとして次に何をするのか…この歳になって歩かずに済む仕事に就くのは不可能に近い。
年老いた両親のことも考えなければならない。
交通事故に遭ってそろそろ10年が経とうとしている。
事故が原因で自営の仕事をたたみ、膝の痛みや手術などで再就職もままならず、やっとで見えてきた再出発の仕事と将来の展望…
それがまたしても膝の障害で頓挫しようとしている。
あの時…あの事故さえなければ…
思っても仕方ないし、思えば思うほど自己嫌悪に陥るのもわかってはいるが、どうしても思わずにはいられない。
心臓が不整脈を打ち、昼となく夜となく息苦しさを感じるほど思い悩んでも、結局は一つの結論に行き着いてしまう。
「足を犠牲にしてまで今の仕事を続ける必要は無い…」
休職明けの先日、店長とマネージャーを交えた場で退職の意思を伝え、退職日やその他条件については会社に一任する。
繰り返しにはなるが、あの時…あの事故さえなければ…
この先の展望は全く見えていない。
悲観的に考えればとことん悲観的になり気が病んでしまいそうだが、ここまで来たらなるようにしかならない。
座右の銘である「馬なり道なり」「人間万事塞翁が馬」これで行くしかない。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは
なんて言って良いか分かりませんが、大変ですね。
事故って予知なく発生しますし、治療後の事とかは対応してもらえないので完全に完治できないと、その後大変ですよね。
「馬なり道なり」いいですね。
人生山あり谷ありで、きっと今は谷なんだと思います。
お大事にしてください。良い仕事が見つかるといいですね。
しげさん、コメントありがとうございます。
全国的な会社に勤める事ができたこともあって、定年近い歳まで勤めて経験を積み、その後は年金を貰いながら独立した自転車修理店を開こうなどといった将来設計を考えていたのですが、膝のおかげで根底から崩れ去ってしまいました。
手術なりなんなりして治り、その後はまた動き回れるとなればいいのですが、そういう保証もないため、涙を飲んで辞めることになりました。
交通事故だけでなく自然災害や犯罪など、いちどんな形で人生を狂わされてしまう可能性があります。
だからこそ、一日を悔いなく、そしてパニックや自暴自棄にならないような思考は必要だと身をもって実感してます。
「馬なり道なり」先日突然の社長辞任で話題になった「スノーピーク」の創業者が好きな言葉です。
あぁ…良いなぁって思います。
歳も歳だし、慌てず騒がず、これからの生き方に即した仕事が見つかればいいなぁ…って思っています。