久しぶりのサイクリング

雨の止み間を見つけ、約一年振りにサイクリングに行ってきた。

興津、由比を経て旧国道一号線富士川橋のたもとまで、約20キロを1時間ほどかけてゆっくり走る。

久しぶりの実走なので、ろくに走れないのではと危惧していたが、固定ローラーを使ってのリハビリのおかげで思ったほど息は上がらずスムーズに走ることができた。
しかし、公道を走る「勘」は予想以上に鈍ってしまったようで、後ろを振り向くたびに大きく蛇行してしまったり、クリートを上手くキャッチ出来ずにふらついたりと、走るラインをまっすぐ保てず難儀した。

まあ、30分もノタノタ走っている内に勘は取り戻せたので、気に病むほどではないが…。

時折、写真を撮るためにストップしたり、コンビニでコーヒーを飲みながら休憩したり…

焦るサイクリングじゃない。

これまで、自転車に乗るときは速さを気にしたり距離を気にしたりと、正直なところあまり楽しさを意識せず、ただストイックにペダルを回してきた。

しかし、右足に入る人工関節の兼ね合いから、ストイックなサイクリングは御法度だし、何よりもそんなサイクリングはできっこない。

手術の後「もう自転車には乗れないのか…」と落ち込み、自転車を見るのすら嫌になった時があった。
つい昨日までの間に何度となく…。

ゆっくりと噛みしめるようにペダルを踏み、気になった場所で写真を撮り、五感を刺激する風の流れに身を任せていると、「あぁ…こういうサイクリングもイイじゃないか…」と、これまでとは異なる自転車との接し方に、新鮮な驚きを伴った発見に出会う。

海岸に出た時に鼻腔に流れ込む潮の香り…
工場から響く金属を加工する音…
身体にまとわり付きながら流れ去る風の感触…

あぁ…自転車ってイイなぁ…。