田子の浦へ…

50歳を過ぎると親の介護も他人事ではなくなってくる。
かく言う私も例外ではなく、親の介護のため、長い時間家を空けてどこかに気ままに出掛ける事ができない。

そんな私にとって、午前中の数時間であってもロードバイクでひとっ走りし、どこかのコンビニであろうと暖かいコーヒーを飲んでひと息つくのは、かけがえのないとても大切な贅沢なひと時である。

朝食を済ませ、長袖ジャージとビブタイツに着替え、向かった先はいつもの富士川方面。
我ながらバカのひとつ覚えだが、西の静岡市内に向かうより各段に車が少なく走りやすい。

ゆっくりとバイクを走らせ、信号の少ない裏通りを黙々と走ると、日々の生活で溜まった澱が汗とともに落ちていく感じがする。

風が枯れ葉を舞い踊らせる音しか聞こえない神社の境内で、弾んだ息を整えながら目を閉じると、頭を悩ますあんな事こんな事が小さくなる。

「ハレとケ」

決して大きなイベントである必要はない。
日々の「ケ」の中にちょっとした自転車と過ごす「ハレ」があればいい。
今の私にはそれだけで十分だ…。