Somec Topclass インプレ
Somecのフレームに乗り始めて500キロほど経過したので、その乗り心地などをまとめてみようかと思う。
Somecのパーツ構成は以下の通り…。
コンポーネント…Campagnolo
クランク…Super record 52×34
エルゴレバー…Record
ブレーキキャリパー…Athena
Fディレイラー…Athena
Rディレイラー…Veloce Mediam Cage
リアスプロケット…Athena 12-27
ホイール…Fulcram Racing3
ハンドル…Deda Speciale 420
ステム…Cinelli A1 110mm
サドル…SelleSanmalco Reagal
シートポスト…Deda Zero carbon
ペダル…Speedplay Zero
このようなパーツで組んであり、その多くは以前乗っていたバイクから外したお下がりだ。
ただ、お下がりとはいえそれなりに良いパーツである事と、フレームがColumbus EL という軽量ニバクロームパイプで造られている事もあって、結果として総重量9キロちょっとと、スチールフレームのバイクの割には軽量に仕上げられたと思う。
Somec…正直言って余り聞いた事も無いメーカーで、「イタリアの自転車工房物語」という本での高評価がなければ買わなかっただろう。
コルナゴのような派手さも無く、チネリのような伝説も無い。
地味で目立たないメーカーではあるが、TIG溶接によるラグレス溶接の丁寧さや、溶接部だけではなく全体的な仕上げのきれいさ、軽さ…そして何より、下りでもカーブでも自転車任せで安心して走れる安定感には舌を巻いた。
これまで、コルナゴのマスターXライトやデローザのネオプリマートに乗ってきた。
ネオプリは本音を言えばネームバリューの割には重いフレームで、余り走らないフレームという印象がある。
また、マスターXライトはレーシングバイク譲りの硬さとクイックなハンドリングに、少々疲れを感じる事もあった。
いずれのバイクも優れたフレームであることに違いなく、オーナーの走らせ方にマッチすればこの上ない相棒となるのは間違いないが、膝に人工関節が入り、比較的にトルクを掛けてペダルを踏む私の走りには合致しなかったと言えるだろう。
マスターXライトはフレームのサイズが少し小さめという事もあって、どうしても私の走りにマッチしない点が目立ってしまい、今はもう手元にはない。
しかし、ネオプリマートは今もなお持ち続けている。
まあ、ネガな部分はあるものの、赤白に塗り分けられた塗装に惚れ込んでしまった事と、若かかりし頃に憧れたブランドであることもあって、西に東に走る足として活用している。
Somecに話を戻そう…。
とにかく、地味でネームバリューの無いバイクである。
しかし、その地味さの裏に長所があふれており、先に述べたように、ペダルの入力に対しての反応も良く、乗り心地も良く、なおかつハンドリングもニュートラルで、ネガな部分は見当たらない点は、もっと評価をしてもらいたいし、多くの人に味わってもらいたい。
最新のカーボンに比べれば、それこそダルいバイクと評されるかもしれないが、スチールバイクとしては、これまで私が乗った事のあるバイクの中で、一番私の走り方にマッチするフレームと言い切れる。
これが Columbus EL というパイプがもたらすものなのか、Somec Topclass のフレームジオメトリーがもたらすものなのかは正直わからない。
ただ、フレームの素材が Columbus SL に変わったものの、今もなお販売されていることをみれば、フレームの設計が良いものと推測できる。
今のSomec と私が持つSomecが同じもので同じ評価を得るものであるのかはパイプの違いがあることもあり保証の限りではないが、バイクに速さを求めず自分のリズムで淡々と距離を稼ぐ走り方を好むのであれば、このフレームは期待を裏切らない。
もし入手できるのであれば一度乗ってみる価値のあるフレームと言えるだろう。
しかし、Somec Topclassは日本に入れている代理店が無く、新品での購入はほぼ不可能で、中古でもe-bay頼みである。
ただ、直販でも購入は可能なので個人輸入にチャレンジするのもいい。
是非とも一人でも多くの人にSomecに乗ってもらいたい。
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