御朱印ライドVol.8…三嶋大社他

この秋一番の寒さとなった11月30日。
三嶋大社ほかへ御朱印を拝受するサイクリングに行ってきた。

朝の7時に出発する時点での気温は6℃。これまで暖かい日が続いていたこともあって、寒さが身にしみる。
冬用のジャージにジレを羽織って走り始める。

富士川を渡り、富士市内の吉野家で朝食の牛丼をパクついて順調に東へと距離を稼ぐ…。

富士市の先…新幹線と富士山をきれいに収められる写真スポットの富士岡で私も写真撮影に臨む…。
限られた時間の中で絶好の撮影タイミングを狙うのも難しく、まあ…こんなものかな…という程度の写真が撮れたところで先を急ぐ。

年賀状用の写真だろうか…家族連れで写真撮影をしている人が多く見られた。

県道22号・三島富士線を東に進み、沼津市東熊堂の高尾山古墳に立ち寄る。

ここは道路建設か史跡の保護か…と話題になった古墳で、著名な歴史学者が「有名な豪族の墳墓ではないか…」と大騒ぎしたことによって、工事ストップ・計画変更となった経緯がある。
そんな話題性もあって一度訪れてみたいと思っていた。

この日はたまたま熊野神社のお祭り。

時間が早かったこともあって出店の準備で賑わっており、気の早い子供たちは「お小遣い〇〇円以内でどれだけ買えるかなぁ…」とはしゃぎながらそんな出店の間を縫って歩いていた。

いやはや…ただでさえ狭くて交通量が多い周りの道路は大渋滞…。

こんなだから都市計画道路建設…となったのだろうが、歴史・史跡は一度壊したら後戻りできない。より良い解決策を希望する。

次なる目的地は長泉町の「割狐塚稲荷神社」。

大きな溶岩の上に稲荷がある。
伺った時には宮司さん不在で、書き置きの御朱印があったのでそれを拝受する。

広くはないが木々が茂り溶岩が威容を示す境内では、近所の子どもたちが元気に鬼ごっこをして遊んでいる。
私が子どもだった頃は、神社の境内が良い遊び場だった。
いつの頃だろうか、子ども達が遊ぶ姿は見られなくなり、嬉々として遊びまわる子どもたちの歓声は聞かれることがなくなってしまった。
「どこ行った!!みーつけた!!」という無邪気な声に懐かしさが湧き、久しぶりに心がほっこりした。

神社で一息した後は、長泉町役場に向かい「マンホールカード」を入手する。

写真には納めなかったが、役場の前に観光用の貸し出し自転車を多数置いてある。
長泉町に限らず沼津市や伊豆地域など、来年のオリンピックをきっかけとした自転車の街づくりに余念がない。うらやましい限りだ。

次は、三嶋大社。
長泉町役場から20分ほどで到着。

先に訪れた割狐塚稲荷神社と異なり、七五三の家族連れで大賑わいだ…。

御朱印集めのためにあちらこちらの神社を訪れていると、木々を揺らす風の音と鳥の鳴き声だけがあたりを包む静謐な神社と、この三嶋大社のように多くの人でごった返す神社の二つに分けられる。
多くが前述の神社で、「神主さんはどうやって食っていくのだろう…」と心配にすらなるところがほとんどだ。

その差がどうして生じてしまうのか…よくわからない。
ただ、参拝者の多少にかかわらず祀られている神様は神様以外の何物でもなく、ご利益の差があるわけでもない。
決して三嶋大社などの大きな神社をないがしろにするわけではないが、だったら私は静寂な地元の人が守る神社の方が好きだ…訪問者の身勝手な感想かもしれないが…。

三嶋大社で参拝を済ませ御朱印を拝受した後は、清水町にある「対面石八幡神社」に立ち寄る。

この神社は、挙兵した源頼朝と、奥州から駆け付けた源義経が対面したと伝えられる場所に祀られた八幡神社だ。
あいにく御朱印は拝受できなかったが、御由緒書きをいただき対面石を拝観する。御朱印はまたの機会に…。

この「対面石八幡神社」も先の「割石塚稲荷神社」も本殿には自動ドアが備え付けてある。
本殿に近づくと開く仕組みになっているが、何とも滑稽というか似つかわしくないというか…。
賽銭泥棒対策にしては大仰すぎるが…。

さて、これで本日のミッションはコンプリートとはならなかったが終了…。
あとは家に戻るだけだが、どこで昼飯を食べるかが問題。

出発前から「今日はラーメン」…ペダルを漕いでいる時は常に脳裏に「ラーメン」の文字…。
やはりラーメンを外す訳にはいかない。
前回、掛川の御朱印ライドでラーメンを食べたいと思いながらもお店を見つけられず食べ逃した苦い思いがあるので、今日は事前に調べておいた沼津港の「松福本店」に向かう。

約30分ほどで到着。
土曜日なので混み合っているかと危惧していたが、お昼前ということもあって待つことなく席に着くことができた。

以前はラーメンが大好物だったのだが、最近は歳のせいなのか「家系」から始まった「豚骨醤油のこってり系」ラーメンが重く感じられるようになり、自然とラーメン店に向かう足は遠のいてしまっていた。

会社で松福のラーメンが話題になったこともあり、沼津に行く機会があったら行ってみようと思っていたことと、サイクリングで疲れていたこともあって久々にラーメン店ののれんをくぐってみた。

結論から言おう…おいしいじゃないの…!

出張先の場所すら覚えていない福岡のラーメン店で食べた豚骨ラーメン以来、ひさびさに「くどくなくあっさりしておいしい」と言える味に巡り合った。
アッサリ系とコッテリ系が選べるため、自分の好みから前者を選んだのでそう思えたのかもしれないが、スープの最後の一滴まで飲み干せるほどスルスルとおなかに収まっていく。
「うまいラーメン」と店先やどんぶりに大書きしてあることに嘘はない。
ただ、コッテリ系を選んだ場合に同じ評価になるかはわからないし、麺を硬めに指定したのは硬すぎて失敗だった…。

次は麺の硬さを普通にし半盛チャーハンと一緒に食べてみたい…。

ラーメンでお腹を満たした後は、海岸線をひたすら西に走り帰宅するみ。
正直言って景色に変化はない。ローラー台に乗っているように淡々と距離を稼ぐ。

途中、沼津・今沢の海岸で海上自衛隊のホバークラフト艦が上陸訓練をしていた。
以前も同じ場所で訓練をしていたのを見たことがある。
どうやらこの場所は海浜訓練場であるらしい。

その後、田子の浦、富士駅、富士川河口を経由してひたすら走るが、水分と糖分の補給を失敗(少なすぎ…)したことと、サイズが合わないシューズを履き続けたおかげで、富士川あたりから急激に疲れと足の痛みが出てしまった。
途中で2カ所のコンビニで休憩をはさみ、これまでの順調なペースがガクンと落ちてしまう。

ハンガーノックには十分気を付けていたつもりなのだが、寒いということもあって水分補給はおざなり…糖分補給は過補給を懸念して間隔を取りすぎた。
夏場以上に冬場はハンガーノックの可能性が高まりやすので注意が必要だ。

数回の休憩と補給を経て自宅には午後3時に到着。
ヘロヘロになりながらも走り切った120キロ弱のサイクリングだった。