走り納め…御前崎まで行ってきた

2021年1月1日

新型コロナ感染症が日本中…世界中…そして私の人生をも翻弄した2020年が終わろとする12月29日。
ポリテクサイクリング部の総勢4人で御前崎まで行ってきた。

自宅を7時少し前に出発し、待ち合わせ場所の安倍川河口に近い「ミニストップ」へ向かう。
8時過ぎにメンバーが揃い、ソロソロと西に向けて走り出す。

用宗漁港を抜け大崩海岸の100メートル程のアップダウンを超える。
本日の行程で「それらしい上り」はここのみ。
あとは、まっ平ら。

この時期にしては珍しく東風が吹き、西に向かう我々の背中を押してくれる。
景色の変化がまるで無く、まるで動くローラー台と化してしまう平坦の自転車道をいいペースで走る。

大井川を越え、集合場所の「ミニストップ」から50キロ程先の「御前崎 海鮮なぶら市場」に着いたのは11時30分少し前。

ここで昼飯…。
なぶら市場の食遊館に店を出す「和食レストラン ナチュラル」でこの時期の旬である「カマスの天丼…大盛」を頼む。

運ばれてきた天丼はまるで二人分かと見紛うようなボリューム…。
何とか間食したものの正直言って多すぎ…。
サイクリング途中で食べる量ではなかった。

とはいえ、量の多さを除けば味は絶品で、また食べたいと思わせる「カマスの天丼」だったことは申し添えておこう。

皆して食べ過ぎとなり、重くなった腹を抱えて最終目的地の御前崎灯台まで向かう。
「海鮮なぶら市場」から約10分、ここが今年最後の目的地…ミニストップから距離にして55キロ程。

食後のコーヒーを飲みながら、皆の健闘を讃え合う。

薄い雲に覆われはしているものの、目の前に広がる太平洋がキラキラと薄日を反射し、丸く見える水平線の向こうから寄せては返す波がいろいろとあった今年の鬱屈した気持ちを思い返させる…。

いろいろな事があった。
春先には肺炎(マイコプラズマ肺炎との診断だがコロナだった可能性も捨てきれない)になりその後遺症に秋まで苦しんだ。
母親の介護だけでなく父親も年相応に状態が悪くなり私の介護負担が増えたことに加え、新型コロナの影響で仕事が雇い止めになり、同じ理由で東京オリンピックが延期となりボランティアもできなくなった。

その反面、ポリテクで職業訓練をする事で自分のキャリアや過去の行動を見直すことで、自らの生き様に至極反省しするとともに生き方考え方を変えるきっかけを得、新しい人たちとの出会いで年代を越えた付き合いをすることができ、そして、年齢の兼ね合いから半ば諦めていた新しい仕事…それも自分の趣味に絡む仕事に就く助言を得たことを契機に思い切ってチャレンジしてみたところ、このコロナ化で雇用情勢が冷え込む中でありながら運よく採用されるという幸運を得た。

人生、波のように良いときも悪い時もある。

午後2時過ぎ…。
これまで吹いていた東風が西風に変わると共に出発地に向けて踵を返す。
来た道をトレースするように走り、途中で疲れをいやすため静波海岸で一休み。

「疲れたねー」「結構走ったねー」「あともう少しだねー」と語りあいながら一息ついて体をほぐしたのち、再び自転車にまたがって大井川を越え焼津市を抜け、最後の関門「大崩海岸」を各々のペースで駆け抜ける。
ここさえ超えればもう到着したようなもの。

用宗漁港の先の堤防沿いを走って午後5時に「ミニストップ」に到着した。
「良いお年を!…また来年走りに行こうね!」

これから先、年が明ければ各々が新しい職場で新しい人生を始める。
また同じ顔でサイクリングに行けるかどうかはわからないし、もしかしたらこのサイクリングが最初で最後になるかもしれない。

そんな思いを皆抱えながらも「またねー」と挨拶して各々の自宅に向けて去って行く。

皆と別れて日が暮れた海岸沿いの道を一人自宅へと向けて走りながら「一期一会」の出会いを噛みしめていた。

追伸…
帰り際の日が暮れた冬空の下、フラッシュライトの電池が切れてしまい、心細く帰路についたことはここだけの話にしておく…。