自転車整備と自転車修理

2021年4月20日

昨日のサイクリングは思った以上に体にダメージを与えたようで、帰宅後は足のそこら中の筋肉が攣ってしまい、日頃の運動不足と体のメンテナンス不足を痛感した一日の幕引きとなってしまった。

しかし、翌日はスッキリとした目覚めで朝を迎え、運動したことで転職や介護にかかわる日頃のストレスも軽くなり、家事をこなすと共に乗りっぱなしだった自転車の整備を行うことにした。

整備(メンテナンス)と修理(リペア)
似たような言葉ではあるが意味合いはまったく異なる。

転職して自転車の販売修理をするようになり、息もつかせぬほどの販売や組み立て作業に追われながら、お客様がお持ちする自転車に手を入れている。
それら持ち込まれる自転車のほとんどが「修理」で、故障する前の「整備」はといえば、TSマークの更新か自転車通学のために学校に提出する書類を完成させるためのもので、新年度が過ぎた今では一台も持ち込まれることはない。

私としては、修理の前の整備に重きを置いてくれよ…と思うものの、人心は「故障してから…」というのが大方なのだろう。

それら持ち込まれる自転車の修理とはいったい何ぞやと言えば、その多くがパンクだ。
時にはBBの分解や内速3段(インター3)のオーバーホールなどの重整備もあるが、「パンク」で持ち込まれる自転車を見てみるとその原因の8割以上が空気圧不足。
何かを踏んだという「踏み抜きパンク」はいまのところパンク修理の一割にも満たない。

最大の原因は空気圧不足によるチューブの「揉まれパンク」。
タイヤレバーでタイヤを外したとたんに粉となったチューブが「ドバッ」と出てきて「あ~ぁ…」となる。

多くの人は「タイヤの空気圧不足は良くない」ということはわかっていると思う。
空気圧が低ければ段差に乗り上げた時にパンクしやすいというのは誰ても容易に想像できる。
では、空気圧が少ないとタイヤの中のチューブがヨレて、折り畳まれたり揉まれたりしてパンクするというのは想像できるだろうか?
たぶんできないだろう。

知らない…想像できない…となればお客さんを責め立てできない。
こればかりは売る方の説明不足だ。
売り手はなぜ空気圧不足がダメなのかをわかるようにちゃんと説明する。お客さんは理解したうえでしっかりと空気圧を管理して時折ポンプで空気を入れる。
パンクを防ぐことについてはたったそれだけのことだけどそれが「整備…メンテナンス」

趣味で乗る自転車ならいざ知らず、毎日乗るママチャリにこまめな日々の整備までを求めるのは酷かもしれない。
でも趣味であれ実用であれ、自転車が命を乗せる乗り物である以上、売る方も買う方も「整備」の必要性・重要性を改めて認識してほしいと思うが、二の次三の次…いや、なおざりになってしまっているのが現実でため息が出る。

「揉まれパンク」ともなるとパッチを当てて修理したとしても、チューブ自体が薄くなり劣化しているためいずれまた別の場所がパンクしてしまう。そのためチューブ交換となる率が高い。
簡単な整備…すなわち空気を入れることひとつで余計な出費も抑えられること請け合いだ。

そんなことを考えながら自分の自転車を整備していたらワイヤーのホツレ発見!
もう少しでワイヤーが切れ変速ができなくなっていた。
これも「整備」
やはり整備は重要だね。人間の体も含めてね…。