母の悩み

このところ母の体調が悪く、こちらまで気が滅入る日々が続いていた。

朝8時頃に目覚め、朝食を少し食べたあとは1日中寝入り、夕方に少しばかりのご飯を食べたあとはまた寝入ってしまう。

95という年齢的にも「こりゃもうそろそろかなぁ…」という考えが頭を過ぎり、訪問看護師に急遽診ていただいたところ「どうも精神的なものから来るようですね…」とのことであった。

人間誰しも悩みがある。
特に歳を取ると悩みのタネが一つづつ増え、その悩みが肥大化してその人を飲み込んでしまうとのこと…

訪看さんが帰ったタイミングで、母と話をしてみたところ、「体が痛い…」「耳が遠くなってしまった…」「体が動かない…」などという歳相応の悩みのほか「できていたことができなくなってしまった…」という喪失感や「お父さん(旦那)が理解してくれない…」などという怒り、「あんた(私)に何もかもやらせてしまって申し訳ない…」という謝罪の気持ちなど、ありとあらゆる負の感情に苛まれていることが分かった。

特に、排泄に関しての悩みは人としての尊厳を打ち砕いてしまうようで、先日便失禁をしてしまったことが相当心に痛手を与えてしまっていたようだ。

私自身、障害を負ってしまったことで失ったものは少なくない。
身体的な損失、社会的な損失…母の感じる喪失感もわからなくはないが、母が感じている喪失感の足元にも及ばない。

特に、死に向かう恐怖は想像すらできない。

どうしたら母の気持ちが楽になるだろうか…

話すこと…聞くこと…寄り添うこと…

その答えは、たぶん母を見送る時まで探し求めることになるだろう…。



介護

Posted by chariketta