マンホールカードを貰いに行く
再就職先への通勤ルートの確認を兼ね、少し足を延ばして地元の静岡市が発行しているマンホールカードを貰いに「お街(おまち)」まで行ってきた。
新しい職場は自宅から約5キロ。ものの15分もあれば到着する。
内定はもらったものの、健康診断が年末年始の絡みで受けられないこともあって入社日はまだ決っていない。
「新型コロナの影響で内定取り消し…」なんてニュースを耳目にするたび、こんな悲劇がわが身に降りかかって来やしないかと気が気でなくなりちょっと焦ったりする。
とは言え、今の私にできることは入社のための準備を早くそして念入りに行っておくことだけ…。
通勤ルートの確認も然り、健康診断の予約も然り、そして再就職後の親の介護のプラン立ても然り…。
けっこうやることはあるのだ…。
職場を通り過ぎ、静岡市中心部にある「静岡市上下水道局」の庁舎に向かう。
「水道局」という地味な部局には過ぎる立派な建物は、以前は映画館が建ち並んでいた場所にドカン!と建っている。
映画に熱中していた中学・高校の頃、この辺りは毎週のように通っていた懐かしい場所である。
映画以外のことに目が向くようになってからは自ずとこの通りに足が向くことが少なくなってしまい、あれから約40年弱…。
映画産業は斜陽になって久しく、その頃に足繫く通った映画館は立て続けに取り壊され、新しく建てられた「水道局」の建物や高級なマンション、それらを囲むように小洒落たカフェが店を開け、おしゃれに生まれ変わった通りは以前のような猥雑な街の雰囲気は全く感じられない。
ただ、ケースに飾られた映画カメラやモニュメントがその事を物語るのみだ。
昔の街の記憶が深く刻まれている私にとって、寂しさというよりどこか異国の地に降り立ったような居心地の悪さを感じてしまう。
街が新しくなりきれいになることは好ましい。しかし、それは訪れる人の新陳代謝も早め、まるで数年で山野の植生が変わってしまうかのような変化をもたらしてしまう。
それが世の定めなら仕方ないし受け入れざるを得ないのだが、年齢を経るにつれて変わることについていけなくなってきている。
変わることが善とは限らない、変わらないことの良さもあってよいのかもしれない…。
そんなことを考えながら、早々に「水道局」の守衛室でマンホールカードを受け取り街を後にする。
静岡市街地を北から南に横切って国道150号に入り、久能をまわって自宅へと戻る。
久々に訪れた静岡市の七間町はまるで私を浦島太郎にしてくれたかのような変化を見せていた。
走行距離は約35キロ…2時間強ののんびりした年末のサイクリングではあったが、大きな街の変化に戸惑いも感じさせられもした何とも不思議なサイクリングだった。
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