御殿場から富士五湖~輪行物語

夏休み…とは言っても土日月の3日のみ…。
そんな夏休みの初日。御殿場から富士五湖を経由して静岡まで、約150キロのサイクリングに行ってきた。

結果的に「もっとダイエットしなきゃならん…」と痛切に思い知ることになってしまった。

朝6時過ぎの電車で清水を発ち、富士駅で御殿場行きに乗り換え、終点の御殿場に到着したのは午前8時。

富士登山のハイカーでごった返す駅前の隅っこで自転車を組み立て、走り出したのは9時少し前。

日差しはすでに高く、ジリジリと肌を焦がす。
何をせずとも体力を奪う。

夏休みで車通りの多い国道138号を走るのも能がない。
駅前から一旦北上し、小山町の一色交差点から名もない道をひたすら登り、途中で県道151号に合流して須走方面に向かう。

緩急あるものの、とにかく登り一辺倒。
容赦ない日差しと暑さにへたり加減になって「東口本宮浅間神社」に着く。

木陰で火照った体を冷やし、給水と小用を済ませたのち、籠坂峠の登りに取り付く。

路肩は狭く路面は荒れ、トラックもバスもスピードを出して走っている。
道幅もこれまで走ってきた県道に比べて広いため日差しも照り返しも強い。

後ろから猛スピードで追い立てる車に気を遣い、あのカーブを曲がれば頂上か…いや、この坂を越えればあとは下りか…と、期待と裏切りを繰り返しながら11時少し前に籠坂峠に到着。
予想以上に時間が掛かってしまった。

峠の看板を写真に収めたあと、山中湖へと気持ちよく下り、湖岸北側のサイクリングロードを走って河口湖方面に向かう。

湖岸を渡る風が涼しい…と言いたいところが、台風からの南西風が生暖かい風をもたらし、高原の涼しさは感じられない。
湿度が高く、富士山も雲の中…。

忍野村をかすめ鳥居地峠を登りはじめるが、頂上に着いた途端通行止めのガードに行く手を遮られる。

昨年の台風で路面が崩れたらしい…。
せめて、峠の取り付きに通行止めの看板があれば、息を付き汗を流して坂を登る事もなかったのに…。

今来た道を戻り、峠の下を貫く「鳥居地トンネル」を通って富士吉田に出る。

お昼ちょい過ぎ…。
吉田うどんを食べようとキョロキョロしながら自転車を走らせるが、結局は見つけられず、空きっ腹を抱えたまま河口湖湖岸のコンビニで冷やし中華を食する。
うどんと冷やし中華…うどん屋とコンビニ…そんな違いはあるものの、同じ麺類だから良しにしよう。

お腹を満たしたあとは、昼過ぎから強まった南西風をついてペダルを回す。
目の前に迫る登り坂にめまいを覚える。

このサイクリングルートを考えた際、山中湖まで上がればあとは平坦だろうと考えていた。
確かに湖岸はほぼ平坦。
しかし、湖と湖の間は登り下りがあり、それも結構な斜度の坂もある。

そりゃあそうだよなあ…。
水は低い所に溜まる。
湖があるってことはそこが一番低い所。湖の周りは高くなければならない。
そんなことは自明の理…。
現地に着くまで気づかないとは…お恥ずかしい…。

西湖の先は国道139号に合流し、精進湖・本栖湖をかすめて静岡県境を目指す。

緩やかな下り坂と平坦が本栖湖手前まで続き、そこから県境まではまた登り。

斜度は5~7パーセントぐらいだろうか…ヘロヘロになった体にはきつくインナーローでくるくるペダルを回しながら黙々と距離を消費する。

途中、自転車を押しながら歩道を歩くサイクリストを見かける…ガンバレ!!

県境についたのは午後4時少し前。
ここからはほぼ下りのみ…しかし、勢いを増した向かい風のため速度が上がらず、朝霧フードパークで楽しみにしていたソフトクリーム休憩にする。

冷房の効いた部屋で30分ほどソフトクリームをなめながら火照った体を冷やし、最後のひとっ走りに臨む。

下り基調の道を走り、白糸の滝から芝川、そして走り慣れた富士川河口から蒲原・由比を経由して自宅へと戻る。

自宅への到着は午後6時少し前。走行距離は147キロの炎天下サイクリング。
ハードだった…己の体重をこれほど恨めしく思ったことはない。
ただでさえ暑いのに、脱ぐことのできない肉襦袢のおかげで常にヒート気味…コンビニに売っている氷に助けられたサイクリングだった。

Chain Reaction Cycles