雨上がりの自粛の街

暦通りの連休中日。
外出自粛を促すかのような雨が朝から降っていた。

昼過ぎになってその雨は止み、長いこと借りっぱなしになっていた本を返しに、雨上がりの街を抜けて図書館まで行ってきた。

自粛要請が功奏しているのか、それとも雨が降っていたからなのかは知らないが、街はひっそりと静まり返り、時折見受ける歩行者は皆マスクを掛け表情は伺い知れ無い。
不気味なくらい。

公共交通機関は何事も無かったかのように動いているが、乗っている人は多くなく、まるで空気を運んでいるかのようだ。

休館中の図書館に本を返し、飲み屋が連なる繁華街を走るが、ここもまた閑散としており、急ごしらえの休業の張り紙が目立ち、事の異常さを際だたせている。

店を開いていることが悪であるかの風潮…。
まるで魔女狩りのように、同調しないものを異端であると告発し社会から排除する。
戦時中の隣組の悪しきならいが今の世に蘇っている。

外出自粛はコロナの感染拡大を抑えるために必要だ。
皆がそれを理解して外出しないのならそれでよいが、周りからの有言無言の同調圧力からそうしているのだとしたら…。

正直言って新型コロナに罹患するより恐ろしい。

いつになったらこの街は賑わいを取り戻すだろうか…。

新型コロナが私たちの元から一番大切な信頼や希望、そして活力を奪ってしまったとしたら…。
その先に待つ未来は、灰色の、まるでハリウッド映画が描くお得意の退廃的な未来となるだろう。

そんなことを想像したくもないが、人通りの絶えた街を歩くとまんざら絵空事とは思えない。
少なくともバラ色の未来ではなさそうだ。

Essay

Posted by chariketta