トラムセット(オピオイド系鎮痛剤)離脱症状について

長い間服用してきたオピオイド系鎮痛剤(トラムセット・トアラセット)を止めてみた。
特に問題は無いものと思っていたが、止めたのち強烈な離脱症状に襲われてしまった。
トラムセットの離脱症状についての情報が殆ど無く、覚書を兼ね、何かの参考になると思いその症状についてまとめてみた。

オピオイド系鎮痛剤とは、モルヒネなど麻薬に近い中枢神経に作用する痛み止めで、アメリカではその薬物依存で問題となっている薬だ。
そんなオピオイド系鎮痛剤の中でもトラムセット(先発医薬品)・トアラセット(後発医薬品)は依存性が無いと言われている薬で、数多くの医者が処方をしている。

詳しくは処方薬情報サイトに譲るが、とにかく良く利く薬で、日常生活すらままならないほど痛みが、まるで家電製品のスイッチでも切ったかのようにスーッと消え、普通に生活ができるようになる。
今にして思えば、モルヒネと同系列というのだから推して知るべしである。

そんな薬を服用し始めたのは4年程前に行った二回目の人工膝関節置換以降に、膝関節周りの靱帯を痛めてしまったことにある。
それまで飲んでいたロキソニンでは痛みが引かず、それに代わる鎮痛剤として処方されたのがこれで、以降、私の家には必ずある常備薬となってしまった。

三度目の人工関節置換を終えて以降、しばらく服用しない時期があったが、今年の2月に再就職をし、日々体を動かすようになってからは、膝にかかる負荷故に痛みが出てしまい、毎日一日二錠を服用するようになってしまった。

本当にこの薬の効果は凄まじく、飲むと痛みを感じなくなると同時にハイとまではいかないが少し気持ちが持ち上がる事もあり、ほぼ習慣的に飲み続けてしまう。
反面、その副作用として酷い便秘に悩まされるようになり、それを解消するために酸化マグネシウムなどの便秘薬を飲む必要性に迫られ、便秘薬を飲んでは腹を下し、また便秘に陥るという生活を繰り返してきた。

膝の痛みと引き換えに便秘に苦しむ生活が体に良い訳がなく、ここ1ヶ月ほどは便秘がもとの腰痛や食欲不振、ひいては肩こり頭痛、体のだるさに苛まれるようになってしまう。

運動をしてもダメ…食事を改善してもダメ…
根本的な原因であるトアラセット(この頃にはジェネリックのトアラセットを飲むようになっていた)をやめるしか解決策は無いに至って、11月20日に服用を止めてみた。

離脱症状があることについてはある程度サイトで調べて覚悟はしていたが、前述したようにあまり問題は無いものと考えていた。
確かに、止めた当日の夕方から離脱症状が現れはしたがその程度は軽く、気に留めるほどのものではなかった。

最初に現れたのは体のだるさ。
止めた当日の午後から風邪の引き始めのようなだるさを感じ始め、翌日には頭痛と耳鳴りが加わった。
正しく風邪の引き始めの症状そのもので、風邪薬を飲めば完ぺきではないものの動くことはできる状態だった。
だるさと頭痛耳鳴りはその後も続き、トアラセットの服用停止から3日目からは急激に状態が悪化し、息も絶え絶えのだるさに背中の痛み肩の張りも加わってしまう。

風邪薬と栄養ドリンクを飲みながら出社して仕事をこなすが、集中力や注意力の低下、異常なほどの発汗、だるさの高まりに、ほうほうの体で仕事を終わらせて帰宅する。

翌日と翌々日は休みで一日中伏せっている状態。
風邪薬を飲んでも栄養ドリンクを飲んでも一向に症状は改善せず、あらゆるサイトを調べ「オピオイド離脱症状」と症状が一致することからトアラセットの離脱症状と確信する。

だるさ、肩こり、頭痛、背中の痛み、イライラ、集中力・注意力の低下、これに加えて悪夢、それに伴う不眠、悪寒、下痢、息苦しさ…
正直、あまりの辛さに再び薬を飲みこれらの症状を治めたくなるが、ここは我慢と大量の水分を摂りながらひたすら症状が落ち着くのを待ちわびながら時がすぎるのを待った。

2日間の休みを経て、服用停止から一週間目の26日。
相変わらずおもわしくない体調ながら出社したものの、ひどい寒気や異常な発汗、加えて体の震えがあり、体温を計ったところ35.3℃しかなく明らかな体調の異常に、これ以上の仕事は無理と判断して早退して家に帰り、栄養剤を飲んで横になる。

この日が体調不良のピークだった。

翌日は体調が改善の兆しを見せ、定時に出勤して仕事をこなす。
背中の痛みは軽くなり、だるさも回復傾向。
イライラは消え、集中力や注意力も戻りつつある。

その後、思い切りひどい下痢に見舞われたものの日に日に体調は回復し、服用停止から10日目の29日は、体のだるさのみが澱のように残ってはいるものの頭痛、肩こりなどの身体症状やイライラ、悪夢、集中力欠如などの精神症状も消えつつある。

このブログを書いているのは12月9日
現在は完全にトアラセットの離脱症状は無くなったものの、これまでトアラセットを飲むことによってマスクされていた膝の痛みや事故で痛めた腰(腰椎分離症)の痛みなどが顕在化されてしまい、特に腰の痛みに未だに悩まされている。

体のどこであれ痛みがある事は気持ちを萎えさせる。
それが故に痛みを和らげる痛み止めが重宝される。
私自身、痛み止めを飲むことで普通の生活が送れるようになり無造作に飲み続けてきた。また、痛み止めがなければ今の生活は遅れていなかったかもしれない。
そういう意味において、痛み止めに救われてきたことは幾度となくありその存在は否定しない。
しかし、口に含み嚥下するその薬がどのように体に作用し影響を及ぼすのか、その情報や知識を自ら理解し服用し、それが本当に必要なのかそうでないのかを熟慮する必要はあると身をもって理解した。

同時に、医者も患者が欲するからと言って製薬会社だけの情報に頼って安易に処方することはやめてほしい。

今回、強烈な離脱症状に悩まされたことで、本当に体を治し健康を維持するのはその人本人が持つ知識とその知識を用いた判断が一番重要となる事を思い知った。

 









その他

Posted by chariketta